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「マスケラに響かせて!」と言われても・・・


「あー、だから出来なかったのか・・・」


先日のレッスンで、生徒さんがぽつりと言いました。


その方は、声が思うように出ず、藁にもすがる思いで私のところへ来られた方です。


現在、アレクサンダーテクニークと声楽の24回モニターコースを受講中で、

先日10回目のレッスンを終えたところです。


この数か月、私たちは声そのものを変えようとするのではなく、

身体の使い方から見直してきました。


首や肩の力み。

舌や喉の緊張。

呼吸を邪魔している習慣。


そういったものを少しずつ改善していった結果、

最近になって声が大きく変わり始めました。


以前とは比べものにならないほど響くようになり、豊かな中低音が魅力になってきました。


だいぶアレクサンダーテクニークが身についてきたので、先日のレッスンではアレクサンダーテクニークの考え方の一つである


エンドゲイニング(End-gaining)


についてお話ししました。


アレクサンダーテクニークでは、エンドゲイニングを


「結果ばかりを追いかけてしまうこと」


と説明します。


例えば、


「マスケラに響く声を出したい」


と思った時。


本来なら、


・なぜ響かないのか。

・何が邪魔をしているのか。


を見ていく必要があります。


ところが私たちは、響かない理由を調べる前に、響きを作ろうとしてしまいます。


「もっとマスケラに響かせよう」

「もっと前に飛ばそう」

「もっと支えよう」


という具合です。


でも、それは結果です。


響きは結果。

良い姿勢も結果。

自由な高音も結果。


身体の使い方が変わった結果として現れるものです。


ところが結果だけを手に入れようとすると、

人は力で何とかしようとします。


顔に力を入れる。

首を固める。

胸を張る。

息を押す。


すると皮肉なことに、


結果を得ようとしているのに、


ますます結果から遠ざかってしまいます。


そんな話をしていた時でした。


生徒さんが、


「あー、だから出来なかったのか・・・」


と言ったのです。


「どうしたんですか?」


と聞くと、


「前に受けていたレッスンです。」


とおっしゃいました。


その方は以前、


「お腹で支えて」

「マスケラに響かせて」

「前に飛ばして」


そういったことを繰り返し言われていたそうです。


そして、


「それしか言われませんでした。」


と。


そして生徒さんは続けました。


「今なら、なぜ出来なかったのかわかります。」

「その頃の私は、そもそもそれが出来る身体の状態じゃなかったんですね。」


まさにその通りです。


首や肩に力が入り、

舌や喉も固まり、

身体全体が自由に使えていない。


そんな状態で、


「マスケラに響かせましょう。」


と言われてもできないのです。


すると生徒さんが、


こんなことを言いました。


「前のレッスンって、エンドゲイニングだったんですね。」


私は、


「そうですね。」


と答えました。


そして続けて、


「世の中の教え方って、結構エンドゲイニングですよね。」


ともおっしゃいました。


結果は教えてもらえる。


でも、


その結果を得るのを邪魔しているものは、教えてもらえない。


だから結果を追いかける。


でも変わらない。


だからもっと頑張る。


これがエンドゲイニングの罠です。


もしあなたも、


「マスケラに響かせてと言われるけど出来ない」

「支えてと言われるけどわからない」

「頑張っているのに声が変わらない」


そんな経験があるなら、

もしかすると足りないのは努力ではなく、


その結果を得ることを邪魔しているものを見つけることかもしれません。


私のレッスンでは、


「こうしなさい」


と結果を求めるのではなく、


・なぜそれが出来ないのか、

・何が邪魔をしているのか、

・どうしたら出来るのか


を、まずは一緒に見ていきます。


そして身体の使い方が変わることで、


その人の最高の声が自然と出てくる状態を作ってきます。


もしあなたも同じような悩みを抱えているなら、

一度レッスンでご相談ください。


結果を追いかけ続けるのではなく、

結果が出る身体の使い方を、一緒に見つけていきましょう。




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